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コラム

2011年02月のコラム


 勝ち続けるのは難しい、そう感じました。ラグビー日本選手権4連覇をかけ決勝に挑みましたが、トップリーグプレーオフの雪辱を期すサントリーの素晴らしいラグビーの前に三洋電機ワイルドナイツは敗れてしまいました。実力の拮抗したチーム同士の戦いなので、どちらが勝ってもおかしくないのですが、2度続けて勝つのが難しい、ラグビーではそれが定説になるのではないかと思うようなシーズン終盤でした。
 三洋電機ワイルドナイツはリーグ戦を全勝で走っていましたが、サントリーに2点差で敗れました。リーグ最終戦ではトヨタにも敗れ、リーグ戦に2敗するのは数年ぶりでした。しかしプレーオフではその敗れたトヨタを準決勝で、サントリーに決勝で雪辱し優勝を決めました。そして今度はサントリーがその雪辱を晴らし、日本選手権の優勝を決めました。負けたチームのほうが気持ちが上回るのでしょう。勝ったチームの気が抜けているわけではなく、ほんの少しが差がこういう結果を生むのでしょう。
 この3年間、三洋電機ワイルドナイツがラグビーシーズンの最後の試合に勝利していました。最後の試合に負けるというのは4年ぶりです。4年前はリーグ戦最終戦で東芝に敗れ5位となり、プレーオフを断たれた試合でした。その日と同じように、すぐには帰路につけず、青山通りを歩き、表参道を歩き、裏原宿から渋谷まで歩きました。もっともっと歩いていたい、そんな気分でした。


 三洋電機ワイルドナイツには素敵な応援団がいます。秩父宮バックスタンドに陣取った応援団ではなく、電光掲示板の下から聞こえる「サンヨー、がんばれー」という子供たちの声・・・。昨日、その声を聞くたびに涙があふれそうになりました。

 来年もその声が聞きたい・・・
 ホスピタリティについてもうひとつお話ししたいと思います。これはあるサービス業についてです。いくつもお店を展開しているところなのですが、私は一番近くのお店にいつも行っていました。ある事においてその店のスタッフは特段手を差し伸べたり、手伝ってくれることはありませんでしたが、別に不満は全くありませんでした。不満がないというよりそこになにかしてほしいという要望もなかったので、本当になんとも思っていませんでした。しかしたまたま東京にある同じお店に行く機会がありました。普段なんとも思っていない場面で、そこのスタッフはスッと寄ってきて、スッと手伝ってくれたのです。その間、なんの言葉もなく(一々どうするか確認することなくという意味です)いつものお店とは違うなと思いました。しばらくしてまた同じような場面になりました。そのときもその少し前には近くに寄ってきていて、その場面になったらスッと手伝ってくれました。いかにも手伝いますよ、という感じでそばで待機されていたら嫌に感じたと思いますが、負担にならない距離でさりげなく様子を見ていたことで、このスタッフは排気量がある、と感じました。東京のお店の全員がそのような指導を受けているのか、その個人の力量なのかわかりません。先日お話ししたリッツカールトンやホシノリゾートなどではこういったことを横展開して、全体の排気量アップにつなげています。横展開できるような仕組みも作っているようです。こういった体験をまた活かしていけるよう常になにかアンテナを張って過ごしています。
 最近、ホスピタリティという言葉をよく聞きます。hospitalが病院なのでそんなイメージの言葉だと思っていましたが、「おもてなし」という意味です。
 以前、友人が塾生として経営を勉強をしていた日本経営道協会という団体があるのですが、そこで公開セミナーとして元リッツカールトンホテル日本支社長の高野氏が、そのホスピタリティについてお話しされるということで行ったことがあります。リッツカールトンといえば超一流のホテルです。日本の旅館などもそのおもてなしは得意とするところだと思います。最近ではホシノリゾートさんが不振にあえぐ旅館を立て直すときに、このおもてなしの意識改革を基本に次々と成功させているように思います。
 お客様をもてなすという最前線におられた高野氏がさまざまなお話しをしてくれました。おもてなしというのはお客様の心に添うことだと言います。またホテルマンのおもてなしの能力を車の排気量にたとえていました。入社当時50ccの能力しかなくても「気づき」の意識を持って努力すれば、それは250cc、400ccとどんどん上がっていくと。その排気量というのは、例えばこんなお話しをされました。高野氏がある別のホテルのエレベーターに乗ると、先に少し急いでおられる他のお客様が乗って10階を押していたそうです。そこへそのホテルの従業員が乗ってきたので高野氏はそのホテルマンがどうするのか様子を見ていたそうです。しかしどの階のボタンも押さず、エレベーターは上昇しました。高野氏はそのホテルマンも同じ10階に用事があるのだろうと思ったそうです。エレベーターは10階で止まり、そのお客様は降りましたが、そのホテルマンは降りません。高野氏は不思議に思っていると「私は7階に行きますが、お客様はどうされますか?」と聞いてきたそうです。高野氏はあわててごまかしてその10階で降りたそうですが、こう感じたそうです。このホテルマンはかなりの排気量を持っていると。しかしリッツカールトンの社員はそれくらいの排気量をみんな持っているそうです。一度勉強のためにもリッツカールトンに泊まってみたいものです。またこういったお話しもされました。門の前の道の通りが激しいある工場についてです。ここの社員の方は出社時に、決して右折で工場に入らないそうです。右折しようとすると対向車が多いため、なかなか右折できません。すると後続が渋滞することになり、迷惑をかけることになります。そのため一度門を通過し左折して左折して左折して直進で門を入るようにしているそうです。しかもこれは社長が命令したわけではなく、社員のみんなが決めたことらしいのです。「気づき」の意識の高さを感じたそうです。
 私も実はこの右折に関しては排気量が少しあったようで、すんなり右折できないところではこのように通過して回ってきたり、お店などの駐車場から通りの激しいところに出る場合、たとえ右に行きたくてもすんなり出られないときは一旦左に出て回ってくるということをしていました。私の職場では「お客様の立場になって見よ」というスローガンを掲げています。お客様がどう思うか、どう感じるかを行動指針にしようというものです。これについてはなかなか浸透しないのが実情です。自分ならこうする、ああするというところまで意識を持てていないのです、残念ながら・・・。でもこの間うれしい光景を見ることができました。工場内で機械を使っての刈込作業の際、その会社の社員が通りかかるときに、みんな一旦アクセルをゆるめ通り過ぎてからまた作業を再開していたのです。些細なことでありますが、とてもうれしく思いました。もっともっとそういう「気づき」を増やしていってほしいと思います。